臨床開発モニター

臨床開発モニター(CRA)
正社員が中心

開発された新薬の有効性・安全性を確認するための治験実施の開始の準備、医療機関等との調整、治験実施中のモニタリング及び報告書の作成等を行う。

就業者数
3,737,860
賃金(年収)
528.7万円
年齢
44
労働時間
155h/月
求人賃金(月額)
19.9万円
有効求人倍率
1.61
WHAT

どんな仕事?

開発された新薬の有効性・安全性を確認するための治験実施の開始の準備、医療機関等との調整、治験実施中のモニタリング及び報告書の作成等を行う。

CRA(Clinical Research Associate)という略称でも呼称される。

製薬会社又は医療品開発業務受託機関(CRO:Contract Research Organization)に就業し、治験の標準業務手順書(SOP)の確認、治験実施計画書(プロトコール)策定の準備、治験を依頼する医療機関、治験責任医師等の選定と治験参加依頼・契約の締結、治験開始後の治験薬の交付・管理、治験実施計画書(プロトコール)等に基づくモニタリング、データの収集・確認及び報告書の作成等が一連の業務の流れである。

なお、医療品開発業務受託機関(CRO)は、1997年に改定された医薬品医療機器等法に基づく「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(厚生省令第二十八号)」において、法令的に認められた製薬会社からの治験の業務受託機関(企業)である。

関係職種として治験コーディネーター(CRC)があるが、これは医療機関側の立場から医師や関係部局と連携・調整し被験者を支援するのに対し、臨床開発モニターは製薬会社側の立場から治験の実施を進捗管理する。

治験開始前は、治験にかかる業務内容を体系的にまとめた手順書である標準業務手順書を確認し内容を把握する。これは医薬品医療機器等法に基づく「医薬品の臨床試験の実施に関する省令」に準拠し、治験実施計画書、治験薬概要、安全情報取扱い、治験薬管理、モニタリング等に関する基本的内容となっているが、これに規定された基準に沿って治験全般を進めていくことになる。

次に、治験実施の必要条件を確認し、当該必要条件を満たし治験を適正に実施できると思われる医療機関、治験責任医師、治験審査委員会(IRB)等を調査の上選定する。

治験実施計画書(プロトコール)のドラフト(原案)を事前に医療機関に持参して、治験の実施可能性等について医師の意見を聴く等の情報収集を行う。この際、治験審査委員会が「治験を実施する際に遵守すべき基準(GCP)」に沿って運営されているか確認することも重要である。この結果、治験実施可能と判断された場合、医療機関に治験参加の依頼と契約の締結を行う。

治験実施の契約後に治験を開始するに際し、治験責任医師、担当看護師、薬剤師、治験薬管理者、治験コーディネーター等との合同会議を開催し、治験実施計画書(プロトコール)のドラフト(原案)内容、薬剤の特性、被験者の条件、薬剤の保管の方法、調剤方法等治験の手順等に関する説明や対象者の選択基準・除外基準、目標症例数、治験実施期間、治験方法及び投与方法、被験者募集・登録方法、治験中止等基準、被験者機密保持方法、データ解析方法等より具体的な内容を定めた治験実施計画書(プロトコール)の遵守等のために充分な打合せを行う。特に、院内で様々な業務を調整する治験コーディネーターとは念入りに打合せする。策定された治験実施計画書(プロトコール)は、治験審査委員会に審議され承認を得る。

治験参加者(被験者)に効能・副作用とも充分に説明した上で、自由意思で参加してもらうことが必要条件となっているため、説明時に被験者に渡す同意説明文書の作成を依頼し、同意文書のひな型等必要な資料・情報を提供するなど支援する。また、治験に登録する被験者を増やすため、治験コーディネーターの協力も得て、治験参加の資料の作成や広報の利用など様々な手法で登録促進を図る。

治験開始にあたり治験薬を医療機関に交付するが、交付後に適切に管理されているか適時、確認する。治験が開始されたら、「治験を実施する際に遵守すべき基準」や治験実施計画書(プロトコール)に従って用法・用量や投与量を遵守し治験が実施されているか、併用禁止薬が使用されていないか、有害事象(重篤な副作用等好ましくない出来事)の発生の有無等進捗状況をモニタリングする。

平行して治験コーディネーターや治験責任医師から症例報告書(CRF)を回収し、個々のカルテ等の原データとの内容の照合を行い、必要な情報及びデータ等について欠落の有無や整合性について確認を行う。その際、カルテとの内容照合で疑義がある場合、医師や治験コーディネーターなどから聴取する。全ての症例報告書データは医療機関がデータベースに入力し、製薬会社又は医療品開発業務受託機関の担当部門が統計解析しやすい状態に整備する。最終的にこれら内容を治験総括報告書として作成する。

なお、治験中に発生した有害事象への対応を行うこともあり、場合によっては治験審査委員会へ報告を行い、必要な安全性についての情報を他の治験参加医療機関や治験責任医師に情報提供する。

標準業務手順書に従って、残薬の回収や必要文書の確認の後、終了手続きを経て治験を終了する。

一つの治験の期間は数ヶ月から数年と様々であるが、通常は一つ治験が開始された後は当該治験の期間が終了するまで担当することが多いが、業務量が落ち着く後期では新人等に担当者が入れ替わることもある。

また、一つの治験実施は、複数の医療機関において同時並行で進めるため、何人かの臨床開発モニターがチームを組み幾つかの医療機関を分担して行うことが一般的である。特に治験の立上げ時は担当者が多く配置される。

いずれにせよ、新薬開発の最前線の仕事に携わることで社会的に大きな意義を感じることができる仕事である。

よく使う道具、機材、情報技術等

標準業務手順書(SOP)、治験実施計画書(プロトコール)、治験を実施する際に遵守すべき基準(GCP)、医薬品医療機器等法、パソコン、ダブレット、スマートフォン、出張用グッズ

TASK

タスク(仕事に含まれるこまかな作業)

この仕事をしている人が「実際に行っている」と答えた割合(実施率)順。重要度は5点満点中の平均評価。

担当する治験実施計画書(プロトコール)を読み、内容を理解する。
実施率 94.6%
重要度 4.20
「治験を実施する際に遵守すべき基準」や「治験実施計画書」に従って治験の実施状況をモニタリングする。
実施率 94.6%
重要度 4.34
有害事象(重篤な副作用等好ましくない出来事)が生じた場合、治験審査委員会の開催等によって、必要な安全性についての情報を医療機関等に情報提供する。
実施率 94.6%
重要度 4.14
治験を依頼する医療機関、治験責任医師、治験審査委員会を調査し選定する。
実施率 91.9%
重要度 4.09
選定した医療機関等に治験参加を依頼し、契約を締結する。
実施率 91.9%
重要度 4.09
治験審査委員会(IRB)から治験実施計画書(プロトコール)について承認を得るための手続きを行う。
実施率 91.9%
重要度 4.09
医療機関における被験者に渡す同意説明文書の作成等への支援を行う。
実施率 91.9%
重要度 3.73
治験薬が適切に管理されているか適時確認する。
実施率 91.9%
重要度 4.12

全17タスク中 上位8件を表示

PROFILE

しごと能力プロフィール

興味・仕事価値観・スキル・知識・仕事の性質・アビリティの6領域で仕事の特徴を表す、job tag独自の数値プロフィール。

興味(RIASEC 6タイプ)

スキル ― 上位項目

39項目中
読解力
傾聴力
説明力
文章力
他者との調整
説得

知識 ― 上位項目

33項目中
医学・歯学
事務処理
顧客サービス・対人サービス
生物学
日本語の語彙・文法
外国語の語彙・文法

仕事の性質 ― 上位項目

39項目中
電子メール
他者とのかかわり
空調のきいた屋内作業
座り作業
厳密さ、正確さ
ビジネスレターやメモの作成

アビリティ ― 上位項目

35項目中
トラブルの察知
記述理解
発話表現
記述表現
演繹的推論
発話理解
HOW TO

就くには

この仕事に就くために特別の学歴は必要とされないが、業務遂行上、医学、薬学に関する知識が不可欠なため実態的には薬剤師、看護師、臨床検査技師などの医療系の資格を取得できる薬学系、医学系の卒業者が多い。

製薬会社では新卒採用がほとんどだが、医療品開発業務受託機関(CRO)でも新卒者が採用される機会も増えてきており、薬学系、医学系の他に理工学系卒の者が採用されることもある。

中途採用の場合は、薬剤師、看護師、臨床検査技師等医療系の分野である程度の臨床経験年数を積んだ後に採用される。中途採用は、医療品開発業務受託機関(CRO)に多い。治験コーディネーターからの転職もある。

キャリアルートとして、企業により異なるが就業後概ね数年から、7~8年程度の経験を経るとチームリーダーとなり後輩を指導・支援する立場となり、その後、開発企画や品質管理、安全性情報担当等の管理的部門へ異動することもある。

特段の資格を必要とされていないが、治験実施計画書(プロトコール)等を理解し説明することやカルテを閲覧して理解できる程度の医学的・薬学的知識は必須であり、現状では薬剤師の資格所有者や経験者が最も多く、次いで公益財団法人MR認定センターが実施しているMR(Medical Representatives:医薬情報担当者)、看護師、臨床検査技師、保険師の資格所有者や経験者が多い。関連資格として一般社団法人日本臨床試験学会が実施しているJSCTR認定GCPパスポート・GCPエキスパートがある。また、臨床開発モニター(CRA)に特化したものとして、一般社団法人日本CRO協会が実施しているCRA教育研修修了認定がある。各社とも当該資格等取得や社内独自研修・資格に力をいれており、入社後に様々な研修の機会がある。

なお、国際共同治験などで薬学に関する海外文献や薬の説明書を原文で読むことや報告書を原語で作成すること、国際会議に出席することもあるため、英語等の語学力が必要な機会が増えている。

治験の実施には、治験に関係するルールを遵守することと可能な範囲で早期に治験を終了させることが必要とされている。このため、医療機関との契約締結等に係る交渉能力、説明会でのプレゼンテーション能力・説明能力、モニタリング時におけるスケジュール管理能力が求められ、また、治験進行時の治験責任医師、担当看護師、治験薬管理者、治験コーディネーター等多くの医療機関関係者とのコミュニケーション能力や調整能力及び信頼関係を築く能力も欠くことはできない。

また、薬品の安全性に直接影響することもあり、責任感があり信頼を得られる人柄が求められる。

学歴(この仕事に就いている人の最終学歴の内訳)

修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む)
71.7%
大卒
66.0%
博士課程卒
24.5%
わからない
1.9%
1ヶ月超~6ヶ月以下
35.8%
6ヶ月超~1年以下
20.8%
特に必要ない
15.1%
2年超~3年以下
13.2%
1年超~2年以下
5.7%
1ヶ月以下
3.8%
わからない
3.8%
3年超~5年以下
1.9%
特に必要ない
32.1%
1ヶ月超~6ヶ月以下
20.8%
1年超~2年以下
15.1%
2年超~3年以下
9.4%
1ヶ月以下
7.5%
6ヶ月超~1年以下
7.5%
わからない
5.7%
5年超~10年以下
1.9%
2年超~3年以下
28.3%
6ヶ月超~1年以下
26.4%
1年超~2年以下
17.0%
1ヶ月超~6ヶ月以下
15.1%
必要でない(未経験でも即戦力となる)
5.7%
3年超~5年以下
5.7%
わからない
1.9%

関連資格

薬剤師保健師看護師臨床検査技師MR認定試験CRA教育研修修了認定JSCTR認定GCPパスポート・GCPエキスパート

関連団体

FORM

一般的な就業形態

正規の職員、従業員
94.3%
派遣社員
17.0%
契約社員、期間従業員
15.1%
パートタイマー
1.9%
経営層(役員等)
1.9%

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