結論: 自己都合退職の場合、失業保険の給付制限期間は2025年4月改正で原則3ヶ月→1ヶ月に短縮されました。受給開始まで退職後約1.5ヶ月が目安です。給付日数は加入期間1〜10年で90日、10〜20年で120日、20年以上で150日。受給資格は雇用保険加入2年間で12ヶ月以上が必要です。詳細は厚生労働省「離職された方への雇用保険(基本手当)の手続きについて」をご確認ください。

「自己都合で辞めると失業保険が不利」という話を聞いたことがあるでしょう。実際、これまでは給付制限期間(待たされる期間)が3ヶ月もあり、会社都合退職と比べて大きなハンデがありました。しかし、2025年4月の法改正で給付制限が原則1ヶ月に短縮されました。「損」の度合いは大きく変わっています。この記事では、自己都合退職の失業保険について条件・日数・改正内容・受給スケジュールをまとめて解説します。


自己都合退職で失業保険をもらうための基本条件は?

失業保険(雇用保険の基本手当)を受給するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

受給の要件

  • 雇用保険に加入していた期間が離職前2年間で通算12ヶ月以上あること
  • 現在、仕事を失っており、積極的に就職活動をしていること
  • ハローワークに求職の申込みを行っていること

会社都合退職(解雇・倒産など)の場合は「離職前1年間で通算6ヶ月以上」に緩和されますが、自己都合退職では12ヶ月のハードルがあります。パートやアルバイトでも週20時間以上・31日以上の雇用見込みがあれば雇用保険に加入しているはずですので、まず自分の加入期間を確認しましょう。

給付額の目安

基本手当の日額は、離職前6ヶ月の賃金を基にした「賃金日額」のおおよそ**50〜80%**です。賃金が低いほど給付率が高くなります。月給30万円の人であれば日額はおおよそ6,000〜7,000円程度が目安です(詳細はシミュレーターをご利用ください)。


【2025年4月改正】給付制限期間はなぜ3ヶ月→1ヶ月に短縮されたのか?

これまで自己都合退職の最大のデメリットだったのが「給付制限期間」です。待期期間(7日間)が終わった後に、さらに3ヶ月間は給付が行われませんでした。2025年4月1日以降に退職した方は、この制限が原則1ヶ月に短縮されています。

改正前後の比較

項目 改正前(〜2025年3月) 改正後(2025年4月〜)
給付制限期間 3ヶ月 1ヶ月
待期期間 7日間 7日間(変更なし)
受給開始までの目安 退職後 約3.5ヶ月後 退職後 約1.5ヶ月後

例外:3ヶ月のままになるケース

改正後も、過去5年以内に2回以上の自己都合退職があり、今回が3回目以上となる場合は、給付制限が3ヶ月のままです。頻繁に自己都合退職を繰り返しているケースへの抑止として残されています。自分が該当するかどうか不安な場合は、ハローワークで確認することをおすすめします。


自己都合退職でもらえる日数は何日?加入期間別一覧

基本手当が受給できる日数(所定給付日数)は、雇用保険の加入期間によって決まります。自己都合退職の場合、年齢によらず以下の通りです。

自己都合退職の所定給付日数(年齢不問)

雇用保険の加入期間 所定給付日数
1年以上 5年未満 90日
5年以上 10年未満 90日
10年以上 20年未満 120日
20年以上 150日

1〜10年は一律90日という点に注意が必要です。会社都合退職の場合は加入期間・年齢によって最大330日まで受給できますが、自己都合では最大150日となります。「もらえる日数を増やすために、会社都合退職扱いにならないか」という視点は後述します。

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給付制限中に何をすればいい?

給付制限期間は給付が行われませんが、この期間をどう使うかが転職成功のカギです。

ハローワークへの定期通い

求職の申込み後、ハローワークから指定された「失業認定日」には必ず出席が必要です。給付制限中も所定の認定日に出席しないと、後の受給に影響します。

転職活動を本格化させる

給付制限中は収入がないため、焦りを感じる時期でもあります。しかしこの1ヶ月(改正後)は、じっくり自分のキャリアを見直す時間としても活用できます。JOBPALETTEのキャリアアドバイザーへの相談はこの期間でも可能です。

副業・アルバイトのルール

給付制限中のアルバイトは一定程度認められていますが、受給開始後は週20時間未満、かつ雇用保険の加入義務が生じない範囲に収める必要があります。収入の有無によって給付額が減額される場合があるため、必ずハローワークに事前確認を行ってください。


自己都合退職でも会社都合扱いになるケースとは?

「自分から辞めた」としても、辞めざるを得なかった正当な理由がある場合、特定受給資格者または特定理由離職者として扱われ、給付制限なし・給付日数増の恩恵を受けられる可能性があります。

該当しうる主なケース

  • ハラスメント(パワハラ・セクハラなど)を受けており、会社が適切に対処しなかった
  • 賃金の未払いや大幅な賃金カットがあった
  • 時間外労働が月45時間を超える状態が続いたなど長時間労働が常態化していた
  • 転勤命令や職種変更など、労働条件が大幅に変更された
  • 会社が倒産・事業縮小の状況にある中での退職

これらに該当する可能性がある場合は、退職時の書類や証拠を保管した上で、ハローワークで詳しく相談してみてください。自己都合か会社都合かの判断はハローワークが行いますので、自分で決めつけず必ず確認することが重要です。


退職から受給開始まで何日かかる?スケジュールの全体像

退職から受給開始までの流れを時系列で整理します。

退職
 ↓(14日以内)
ハローワークに求職申込み・離職票を提出
 ↓
待期期間:7日間(給付なし)
 ↓
給付制限期間:1ヶ月(自己都合・原則)
 ↓
第1回失業認定日
 ↓
【受給開始】基本手当の振込スタート
 ↓(以降28日ごとに認定日)
所定給付日数を使い切るまで継続

ポイント整理

  • 退職したらすぐに離職票を会社から受け取り、14日以内にハローワークへ
  • 退職日から受給開始まで、改正後はおおよそ1.5ヶ月〜2ヶ月が目安
  • ハローワークが混雑する時期(3〜4月)は申込みに時間がかかる場合あり

よくある質問

Q. 転職先が決まってから辞めれば給付制限は関係ない?

その通りで、転職先が決まっていれば失業保険を受給する必要がないため、給付制限は実質的に関係ありません。ただし「転職先の入社日までにブランクがある」「内定が取り消された」といったケースに備えて、受給資格の有無だけは確認しておくと安心です。また、在職中に転職活動を進め、退職後すぐに入社できる状態であれば、失業保険を使わず済む可能性が高くなります。

Q. 給付制限中にアルバイトしていい?

給付制限期間中のアルバイトは、一般的には禁止されていません。ただし、就職とみなされる週20時間以上・31日以上の継続雇用となる場合は給付が停止される可能性があります。また、受給開始後にアルバイトをした場合は収入に応じて給付額が調整(減額または不支給)されます。具体的な条件は担当のハローワークで確認してください。

Q. 受給せずに転職した場合、給付の権利はどうなる?

受給資格があっても使わずに転職した場合、受給期限(離職翌日から1年以内)を過ぎると権利は消滅します。ただし、転職先でも雇用保険に加入し続けた場合、前職の加入期間が一定条件のもとで通算されることがあります(加入期間が1年未満のとき等)。次に転職や退職が発生したときのために、前の会社の離職票は手元に保管しておくことをおすすめします。詳細はハローワークで確認を。


本記事の内容は2025年8月時点の情報をもとに作成しています。法改正や個別のケースによって異なる場合があります。正確な情報はお近くのハローワークにご確認ください。